世界は既に断絶して小さくまとまっている


ネットの真実と現実は違っているらしいです。そういうタイトルの記事がはてブのホットエントリーに入ってました。

以下、引用。
[ネットの真実] 日本の会社はたいてい酷い長時間労働。定時に帰れる人なんて、一部の恵まれた人たち。
[現実] 酷い長時間労働する労働者は少数派。大多数は定時か定時付近に帰宅する。道路も電車も、定時に帰る人たちが利用する時間帯が一番混雑する。

確かにね。みんな気付いてたよね、、認めたくないだけだよね。。自分たちだけが長時間労働してるって事実を…。

この話に限った話ではなくてこれは「同じ情報源、行動半径しか持っていないのであれば、自分にとっての世界はその大きさになっていく」と言うことだと思います。その上で僕は「世界は既に断絶している」と思う。

何が断絶してるって?

こういう話に限らず、ネット上での行動の世界が、自分の世界になってしまうのだと思う。自分のつながっているfacebooktwitterの範囲、そしていつも巡回するサイト。リアルの世界はもっと小さくて、普段からメールや電話する友達、会社で身近にいる同僚や上司、たまたま見たTVで取り上げられていたニュース。そこで触れることの無い世界は、自分とはご縁が無いものになっているはずです。自分のその世界の中が運悪くみんな「会社から帰るのが終電帰り」だったら、世界はみんな終電で帰るのが普通に思えて来るかも知れません。

mixiFacebookの世界はパラレルワールド

僕も数年前まではmixiを使ってましたが今はfacebooktwitterになって、mixiにはもう1年くらいログインしてないと思います。でもね、mixiの中にはまだ1000万人以上のアクティブユーザがいる。その人たちは自分にとって遠い存在、関わりたくても関われない存在になってしまっています。自分の周りが誰もmixiを使わなくなって来たから使わない、と言うのが大きな理由ですが、そうやってコミュニティを形成する媒体は変わっていって、世界は断片化していっているのだと思います。

その中の更に小さな世界で生きている

昨日の湯川さんの書評にこういうのがあった。

「人間関係のパターンは5-15-50-150-500。」と言うものが出てきます。自分にとって(普通の人にとって)この数字は結構リアルなもので、当てはまるんじゃないだろうか。

facebookで数百人と繋がっているように見えても、その中で更に一部の世界しか普段の自分には見えないし、意識出来ていない。皆さん携帯の中にどれだけアドレスが入ってますか?僕はさっき見たら700件ほどでしたが、このうち1年以内に連絡取ったのは恐らく数十人だと思います。結局自分にとっての世界はそういう規模に収束していくんじゃないでしょうか。

世界の広さを意識して生きていきたい

最近OB訪問を受けた学生から「ギャルの友達が書いてるブログがとても面白い」と言う話を聞きました。ギャルと言う存在は僕からすると一番遠い世界に住んでらっしゃって、考えたことすらなかったのですが。と言うかギャルこわい…。でもそのギャルのブログは1日に数万PVもあってある意味「アルファブロガー」で、「知らないところにそんな世界があるのか!」と衝撃を受けてしまったのですよね。

ギャルの世界やmixiの世界、モバゲーやgreeの世界は僕には分かりません。それは語弊がありますが、地球の裏側で起こっていることと同じように自分に取って実感が無くて、影響が無いように思えてしまうものです。と言うか知覚出来ていないと言う意味では、マンションの隣の部屋に住んでいる人だって同じレベルで、違う世界です。


人の時間は有限だから、全ての人とつながったり全てを知ることは不可能です。でも今のこの技術が発達した世界で生きているから、上に書いたような世界は知ろうと思えば知ることは出来るし、その中に入ることも出来る。大切なのはそういう世界があることをちゃんと知って、そことどう関わるか(関わらないか)を自覚しておくことじゃないだろうか。多分それが自分の世界を広げる唯一の方法だし、違った世界の存在を受け入れて平和に過ごしていく方法じゃないのかな。